エックス線作業主任者ナビ
TOP > エックス線の測定に関する試験ノート2




1.気体の電離作用を利用した検出器 (気体検出器)

(1) 気体検出器の原理
気体検出器は右図のように、円筒状の陰極及び中心の細い軸
の陽極で形成される。内部は気体(空気Ar+10%メタンなど)が封入
され、電極間に一定の電圧が印加されている。
エックス線が電極間内を通過すると気体が電離され、電子と陽イオンが生成される。これを一時電離と呼ぶ。
電子は陽極に、陽イオンは陰極に移動し電流が流れる。

T. 再結合領域
電圧が低いとイオンの速度は遅い。その為イオン対の
一部は再結合によって電荷を失ってしまう。よって測定
される電流(電圧)は電離量より少ないので測定器には
使用出来ない。

U. 電離箱領域 (飽和領域)
印加電圧を上昇させると、イオンの速度が速くなり、
イオン対は再結合を起こすことが少なくなり、飽和値に
達する。

V. 比例計数管領域 (比例領域)
印加電圧をさらに上昇させると、電子は陽極付近の電場
で加速され、気体分子を二次的に電離するようになり増幅
作用が起こる。また、一次電離量よりも大きな電流が測定
される。

W. 境界領域 (制限比例領域)
電離量が一次電離量に比例しない領域で測定器には使
用出来ない。

X. GM計数管領域 (ガイガー放電領域)
印加電圧をさらに上昇させると、気体増幅が大きくなり、
比例性が失われ電子による電離が「なだれ状」に起こる。
一次電離量の大きさとは無関係に一定の大きさの電流が得られる。

Y. 連続放電領域
印加電圧をさらに上昇させると、放電が連続する。(コロナ放電)

(2)電離箱
電離箱は円筒型と球形に大きく分かれており、円筒型はサーベイメーター、ポケット照射線量計に用いられる。また、使用方法から線量率型と積算線量型に分けられる。

(3) 比例計数管
(1)のV.比例計数管領域の気体増幅を利用したものであり、管内には通常アルゴン90%、メタン10%の混合ガスを約1気圧で封入する。
エネルギーの高い(硬い)エックス線:封入型比例係数管
エネルギーの低い(軟い)エックス線:ガスフロー型比例係数管

(4) ガイガーミューラー管 (GM計数管)
(1)のX.GM計数管領域で動作する計数管。放射線が入射し気体の電離により、気体増幅が大きくなり「電子なだれ」と呼ばれる放電が起こる。また、一定の大きさの電流が得られる。
不感時間:一度放電すると、放電が消えるまでは出力パルスが現れず測定出来ない。(約100〜200μs)
回復時間:正常なパルス波高になるまでの時間
分解時間:計数が始まるまでの時間
プラトー:印加電圧を上げても計数率が変わらない範囲


エックス線の測定に関する試験ノート1へ
エックス線の測定に関する試験ノート3へ
エックス線作業主任者の試験テキストへ
エックス線作業主任者ナビトップへ
Copyright(c)2008 エックス線作業主任者ナビ All Rights Reserved